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薬学的に問題がある多剤併用 NSAIDsどうしの併用


薬学的に問題がある多剤併用が疑われるものを疑義照会することなしにそのまま調剤することは指導監査の指摘事項に該当します。


例:
セレコックス錠100mgとロキソニン錠60mg


リウマチでの処方で整形外科からよくあるケースです。


しかし、同一の作用機序を持つ薬剤どうしの併用は、保険調剤上、薬学的に問題があるとされています。


セレコックスはCOX2を選択的に阻害しますが、COX阻害という点でみるとロキソニンと同一の作用機序であるといえます。


NSAIDsどうしの併用では効果の増強により、副作用である潰瘍の発生の危険性が増すことが知られています。

重篤副作用疾患別対応マニュアル 消化性潰瘍(厚生労働省)
http://www.pmda.go.jp/files/000145989.pdf

さらにNSAIDsの効果には天井があり、量を増やしても副作用が増えていくだけということも起こりえます。


つまり、NSAIDsどうしの併用には意味がなく、副作用を増加させるだけということです。


NSAIDsの正しい用い方 薬学の時間 | ラジオNIKKEI


疑義照会するにあたっては、ロキソニンやボルタレン座薬を頓服として処方したり、アセトアミノフェンやトラマドールなどの弱オピオイド鎮痛薬、そして鎮痛補助薬などを患者さんの肝機能や腎機能を考慮しつつ提案できるとよいでしょう。


※医師側のレセプトにおいても同種同効薬の使用は原則 1 剤とし、それを超える場合は注記のうえ、審査委員会の判断となります。