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薬学的に問題がある多剤併用 経腸栄養剤


薬学的に問題がある多剤併用が疑われるものを疑義照会することなしにそのまま調剤することは指導監査の指摘事項に該当します。


経腸栄養剤のエレンタール配合内用剤とエンシュアHが同時に処方される例を見かけます。


エレンタールは消化ほとんど必要としない成分で構成されたきわめて低残渣性・易吸収性の経腸的高カロリー栄養剤です。


一般に、手術前・後の患者に対し、未消化態蛋白を含む経管栄養剤による栄養管理が困難な時用いることができます。


半消化態栄養剤を使用するのが困難な人に処方されるはずのエレンタールが、半消化態栄養剤のエンシュアと併用されるのはおかしいですよね。


これは、疑義照会の対象となります。


成分栄養剤と消化態栄養剤、半消化態栄養剤の区別をあまり理解せず処方している医師がいらっしゃるのも事実だと思います。


しかし、医療上の理由があり成分栄養剤と半消化態栄養剤を混合で使用しているケースもあるのです。


例えば、小児の在宅栄養などで、エレンタールPとエンシュアが同時に処方されることがあります。

http://raisei1.web.fc2.com/house.html




また、クローン病の寛解維持期の栄養療法にエレンタールとラコールを併用する例もあるようです。


クローン病の栄養療法 - ラコールの投与例|高野病院
今後クローン病患者のQOLやADLを考慮に入れた在宅経腸栄養療法として、成分栄養剤のみの投与にこだわらず、エレンタールとラコールの併用投与、もしくはラコールの単独投与も有用であると思われます。 ...







ちなみに、医院が点数の高い「在宅成分栄養経管栄養法指導管理料」を算定するために成分栄養剤を少し使うというようなケースもあるかもしれませんが、もちろんこれは、よろしくありません。



在宅経腸栄養 - NPO法人 PEGドクターズネットワーク
http://www.peg.or.jp/lecture/enteral_nutrition/08.html



成分栄養剤・消化態栄養剤と半消化態栄養剤が併用されている場合は疑義照会しましょう。